母の入浴方法(シャワーだけですが。)
「身体がさっぱりした後のご飯は美味しいかい?」と大好きなミニトマトを食べている母に尋ねると「ありがとう、もったいない。」と私を見て母が答えた。感謝の気持ちのこもった、しっかりとした口調の言い方で、私のハートにズーんと来た。
昨日は休日。母の体調も良かったので昼食前にシャワーで母の身体を洗ったのです。
母のシャワーの入れ方をご紹介します。
まずは廊下のカーテンを閉め、浴室と脱衣所の窓も閉めます。台所のドアーを開けるとエアコンの冷気が脱衣所、浴室に流れるので温度が下がり、湿気も少なくなるので身体を洗う側の私が楽なのです。この廊下のカーテン一枚がとても重要な役割をしてくれます。(詳しくは『室温管理。一枚のカーテン』のページをご覧下さい。)
足が弱り脱衣所と浴室の段差が危険なので、事務椅子ごと浴室に入れるよう、兄に台を作ってもらいました。
手前が脱衣所、左が廊下です。
洗い場の床は傾斜があるので台を作るのは難しいです。枠を洗い場の床にセットした後、上にパネルを置きます。パネルは半分に切ってあり2つになるので場所を取りません。パネルの右端には角材を付け事務椅子の車輪が落ちないようにしてあります。
事務椅子の左側の壁の向こうはトイレになっています。まずは用をたした後、下半身はリハビリパンツのみで椅子に座り、浴室まで移動します。
椅子を左に90度回転し、先に足から膝上まで洗います。上はパジャマを着たままです。
次に椅子をシャワー椅子に交換します。
ドアーの所に母が歩く時に押す椅子を置き、背もたれに摑まって立ち上がります。
事務椅子は風呂のふたの上に置き、シャワー椅子と交換します。
椅子の交換終わり。
この状態で母の後方からシャワーを使うと洗い場がビショビショになってしまいます。
初回はビニールで水を防ごうとしたのですが失敗しました。シャワーの水流と共に風が起き、ビニールのすそが脱衣所のほうへ動いてしまったのです。
現在は大きなゴミ袋にダンボールを入れ、ドアーのところに立てかけています。
さて、いよいよ着ていたパジャマを脱ぎ身体を洗います。
昨日はシャワーだけでなく、大きな洗面器にお湯を溜めて、首から背中全体に暖かめの湯をかけ流してあげました。
“あ~気持ち~ ”の連発でした。
身体を洗い終えたら上半身を拭き、バスタオルを肩から掛けてあげます。
次に椅子を交換するのですが、事務椅子の座面にもバスタオルを置きその上に座ります。膝から下の水をふき取り、椅子の座面のバスタオル両端を引っ張り母の御股のあたりを隠し、脱衣所に移動します。
再度上半身をバスタオルで拭き、ヘアードライヤーを使って身体を乾かします。脇の下、首周りは特に念入りに乾かします。下着を着たのち、足先、膝の裏、御股と同じようにヘアードライヤーで乾かします。
さてこの後リハビリパンツと股引きを着るのですが、母には中腰になってもらわなければなりません。どこか摑まる所が必要となります。
事務椅子をトイレ前に移動します。母はトイレに入るような状態になります。
スリッパの所に私が座り、母はトイレの中の手すりに摑まり立ち上がります。その姿勢のまま、私はリハビリパンツと下着を引き上げます。着終わったら事務椅子が後方へ行かないようしっかりつかんで、母に座ってもらいます。
シャワー椅子や事務椅子に座るとき、母はドーンと尻を落としてくるのでとても緊張します。もともとデカ尻なのと、手すりをつかんでいる手の力が弱っているためでしょう。
これで終了です。
母は身体さっぱり。私は汗だくです。特に昨日は身体を洗っている最中シャワーを止めずに床に置いたら、ヘッドがクルクル回りだして私も頭から濡れてしまいました。
前回のシャワーを浴びた日は、母をベッドから起こし、トイレに行き、シャワーで身体を洗うまでの全工程をケアーマネジャーさんが見学していました。
母の身体を洗っている途中 「息子が親の身体を洗っている光景を見られるなんて貴重な体験でしょう?」と尋ねると、「きっとこれが最初で、最後だと思います。ここまでやる人はそういません。」という返答でした。
自宅での入浴サービスや、デイ・サービスに行ってもらって入浴することは可能なのですが、現在の母の体力を考慮に入れたとき、この方法が母にとって精神的にも肉体的にもストレス(疲労)が一番少ない方法と考えられるので、いろいろ大変ですがこれが私が選択したやり方でした。
シャワーでさっぱりして、昼食を食べおなか一杯。後はベッドに入ってゆっくり昼寝・・・とはいきません。
昼寝をする前に母にはやってもらうことがあります。シャワーを浴び母の身体は熱という刺激を受けました。母の身体とっては負担となる刺激です。からだは疲れます。それに負けないよう自律神経を活性化する必要があります。
ベッドに入った母に「シャワー浴びて身体が疲れるから、手上げ(CSF脳呼吸法)をやるんだよ!一所懸命しないと熱が出るからね!」
「アイヨ!1.2.3.4・・・15。」と数を数えながら片手を上げ、CSF脳呼吸法を始める母でした。
話しは横道にそれますが。「お風呂に入って血行を良くし、新陳代謝を高めるのは身体に良い」と最近少なくなったTVの医療バラエティー番組に出ていた医師が言っていたことがあります。確かに間違っているわけではないのですが...
身体の弱った人体にとっては、熱という刺激がマイナスの作用をしてしまうのです。(詳しくは「新陳代謝が活発になることは、本当に良いこと?」のページをご覧下さい)。
そんなに風呂が身体に良いのなら、「入院している患者さんを毎日風呂に入れているのですか?」と聞いてみたいものです。
シャワーを浴びた日と、次の日は注意して母を見なければなりません。熱が上がるか、非常にだるそうで疲れた状態になるからです。今日は午後からとてもだるそうで「何もして無いのに疲れた。」ということでした。
もう一つ写真です。
これは浴室内から撮ったのもので、扇風機で廊下の冷気を浴室内に送っています。
多少ですが涼しくなり私は助かります。もちろん母の身体に風はあたりません。
これから涼しくなったとき、扇風機の代わりにファンヒータを置けば、暖かい浴室でシャワーを浴びることが出来るでしょう。
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