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介護社会<夢の跡>番外編 婚期逃す男の介護 [健康 介護]

以前記事にした東京新聞(中日新聞系列)の“シリーズ介護社会”は、その後も特集を続けています。

今回の<夢の跡>は、とても身近に感じた内容でした。

 

東京新聞 2010年4月19日朝刊より

三重県松阪市でフリーカメラマンの男性(56)が同居の母親=当時(80)=の口をふさぎ死なせた傷害致死事件。男性のように結婚せず、親の介護を一人で引き受ける息子のシングル介護が増えている。経済的に不安定な立場に置かれていることも少なくなく、事件に至るケースも後を絶たない。

 「人ごとと思えなかった」。男性がそう振り返るのは昨年7月、岐阜県関市で、自転車修理・販売業の息子(61)が母親=当時(83)=を殺害した事件。男性と息子はいずれも独身で、若くして同居する親の介護に携わっていた。男性は「自分も病気の親を抱え、結婚や仕事は二の次だった」と打ち明けた。

 息子が親の介護を引き受けるケースはこの10年あまりで急増。国民生活基礎調査によると、主な介護者のうち息子の占める割合は、1998年には6・4%だったが、2004年には12・2%と倍近く増えた。

 その背景にあるのが未婚・晩婚化の進行だ。国立社会保障・人口問題研究所の調査によると、50歳時点で一度も結婚したことのない人の割合(生涯未婚率)は、05年で男性が16・0%。20年前(3・9%)に比べて4倍強に増えた。年齢別に見ても、35~39歳で未婚率は30・0%と20年前(14・2%)の2倍強になっており、晩婚化の傾向が顕著になっている。

 同研究所は「介護と結婚の相関関係を直接、裏付けるデータはない」としながらも「晩婚化の流れの中で、未婚のまま親の介護に直面し婚期を逸す、というケースが増えていても不思議ではない」と推測する。

 同研究所の調査からは、経済的に自立できないため結婚できない傾向もうかがえる。未婚男性(35~39歳)の場合、結婚できない(しない)理由は「結婚資金が足りない」が、「適当な相手に巡り合わない」「自由や気楽さを失いたくない」に次いで3番目だった。

 さらに、就業別に親との同居の割合をみた場合、「正規雇用」が6割台であるのに対し、「パート・アルバイト」「無職」は8割以上を占めており、経済的な理由で結婚をためらううち、同居する親の介護を引き受けてしまう構図がうかがえる。

 「男性介護者白書」の著書もある津止正敏立命館大教授は「息子のシングル介護の登場は結婚観の変化や非正規雇用者の増加などを背景とした現代社会の抱えるきしみの現れ。しかし、援助職のヘルパーですら彼らを『結婚もせず、家でぶらぶらしている』と特別視する風潮が根強い。まずはこうした社会の認識が改まるべきだ」と警鐘を鳴らす。

 東京都文京区議で、独身で母を介護する前田邦博さん(44)も「働きながら子育てをする女性に対する支援策に比べ、働きながら介護をする男性への支援策は脆弱(ぜいじゃく)」と制度面での不備を訴える。 =第7部終わり

(取材・小笠原寛明、写真・佐藤春彦)

 

年齢も環境も、とても身近な男性が起こした事件です。

昨年母が事故に遭わず、そのまま私と暮らしていたら.....

母と私は今頃どうなって、どんな暮らしをしていただろうか?

考えても答えは無い。今の生活が、与えられた人生です、母と私に。

 


私たちが今日あるのは、昨日の思いからだ。

そして、今日の思いが、明日の人生をかたちづくる。

人生は、わたしたちの    

心の創造物だ。 

        ・・・ 仏陀 「聖なる知恵の言葉」より

 

そうか、今日の思いが明日の形を作るのか。

形にしたいものがあるんです。母のために。


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コメント 2

しゃぎゃ

私も 何年か後には この記事のような立場になります・・・多少 不安になりますね・・・
by しゃぎゃ (2010-04-23 21:38) 

a-silk

しゃぎゃ さん
介護する側か、される側か?
どちらにしても、経済面の問題はキツイです。

しっかり稼いで、鉄のタマを金にして、通帳へ保存
しておくことを、お勧めします。

介護相談受けつけますよ。
by a-silk (2010-04-24 19:10) 

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